脳波計のご紹介
2023年11月19日

脳波分類メトリクスを利用した疲労評価・疲労管理や、ご研究に適した脳波計をご紹介します。

脳波と疲労管理
疲労は、米国では交通事故および労働災害の主な原因であり、公衆衛生上の主要な懸念事項としてますます認識されています。AMP (覚醒と記憶のプロファイラー)は、疲労による神経認知機能障害を客観的に特徴づけるために、警戒度と記憶のテストにおける脳波(EEG)とパフォーマンスを定量化します。
睡眠不足は、視空間処理速度、認識記憶の正確さ、またAMPタスクのパフォーマンスに基づく持続的な注意の低下に帰着します。睡眠不足によるセッション中のパフォーマンスの低下は、脳波分類メトリックスの著しい変化を伴います。メトリックスの「EEG-注意散漫」と「EEG-眠気」が増加するとき「EEG-エンゲージメント」は減少します。脳波分類メトリックスは、健康な被験者の疲労に関連する神経認知機能障害の正確な指標であることが証明されており、疲労のより包括的な評価が可能になります。
ABM社は、世界で最も忙しい空港の1つに、実際の勤務時間中の航空管制官の「エンゲージメント」、「眠気」、「精神作業負荷/メンタルなワークロード」、および「ストレスレベル」を含むABM認知状態メトリックスをリアルタイムで可視化表示するプロトタイプを実装しました。これらの脳波ベースのメトリックス・ディスプレイは、監督者が通常の作業中に最大4人の航空交通管制官をモニタリングするために設計されました。疲労、過度の作業負荷、または注意散漫が観察された場合(赤色)、監督者は他のチームメンバーにタスクを再割り当てするか、必要に応じて休憩や休眠時間を指示します。
ABM(Advanced Brain Monitoring)社製 脳波計測
アメリカ・Advanced Brain Monitoring社(ABM社)は1997年に設立された、神経診断装置を提供する会社です。その革新的な技術は国際的に認められています。
周波数分析の他、心理的な分野では、作業負荷、高エンゲージメント、注意散漫などの認知負荷やメンタル負荷を評価できる脳波計測は、トヨタさまを始め、日本国内のみならず、世界中の多くの研究機関や大学で導入して頂いております。
9CH脳波計+1CH心電図/筋電図脳波計「B-Alert X10」
長時間の計測、特に自動車運転などの振動や被験者の動きがある環境での計測で高品質の脳波計測が可能なのはアメリカABM社のウェット式B-AlertX10です。
通信部分も含め、センサー全体でわずか110g、被験者への負担が少なく、長時間安定した高精度計測が可能です。ハードウェアとソフトウェパッケージ価格は税抜き225万円です。
20CH脳波計+1CH心電図/筋電図脳波計 「B-Alert X24」
10-20システムに基づいた電極配置で、快/不快、共感のような細かい感情の計測にお勧めできるデバイスです。
さらに、ERPやBCIなどの研究用途にも適応しております。ハードウェアのみは税抜き190万円となっております。
お電話での問い合わせは 03-3442-5401
ArtiseBiomedical社の脳波計測
台湾のArtiseBiomedical社は、医師とエンジニアのグループによって2011年に設立されたスタートアップです。
ブレインコンピューターインターフェース分野に焦点を当てた新しいビジネスユニットを設立し、研究グレードの脳波計(EEG)システムと、医療グレードの製品を提供しています。
サンプリングレード1KHz、24ビット分解能ヘッドセットタイプの「アルタイル - 8ch」
「簡易的に脳波を計測したい。でも電極配置場所を探すのは難しい。」と感じている方には、10-20システムに基づいた電極配置のアルタイル(Altaire) ウェアラブル脳波計をお薦め致します。
ドライ式で事前準備は不要、ヘッドセットタイプの脳波計であるため、被るだけで簡単に計測を開始できます。サンプリングレードは1KHzで、分解能は24ビットです。
特徴は何と言っても、DCから262Hzまで幅広い帯域で脳波計測可能なところです。一回のフル充電で、最大10時間使い続けるところも嬉しいポイントです。
付属のソフトウェアCygnus(シグナス)を使えば、リアルタイムでパワーバンドや、脳波のヒートマップなどをご確認頂けます。さらに、シリアル通信やLSLプロトコル、ソフトウエアトリガーなどでトリガー信号を入れることができ事象関連電位 (ERP)にも対応しており、PythonやMatlabなどで解析を行う時の、正確な同期信号などを記録できます。
ドライ式脳波計アルタイルはデータ取得用ソフトウェア・シグナスとセットで、税抜き35万円です。
サンプリングレード500Hz、24ビット分解能帯域DC~131Hzの「ベガ - 32ch」
認知科学、心理学、ヒューマン・コンピュータ・インターフェース(HCI)などのご研究用途で多チャンネルが必要な研究者には、32CHのVEGA (ベガ)をお薦めします。
ウェット式(生理食塩水利用)で、柔らかい弾性があるキャップに、取り外し可能なセンサーを装着することにより、生データをBluetooth経由で送信可能するウェアラブル脳波計です。
またご用途により、必要なチャネルのみで計測することもできる柔軟性があるデバイスです。サンプリングレードは500Hzで、24ビット分解能、イベントジッターは±1msとなっている優れものです。ウェット式脳波計ベガはデータ取得用ソフトウェア・シグナスとセットで、税抜き270万です。
8CH脳波計「ジェミニ」&「サテライト」
ジェミニ GEMINIは、ArtiseBiomedical社のウェット式脳波計で、研究目的によって19チャンネルの中から電極配置個所を8か所自由に選んで使用できるタイプの8ch脳波計で2台セットとなっております。2台の脳波計をハイパースキャニングケーブルで接続して、2人の被験者の同期計測を行うことが可能な他、付属する8ch生体信号(ECG、EOG、EMG)ケーブルを使えば、1人の被験者の8ch脳波計測と8ch生体信号計測を1つのシステムで簡単に同期して行うことが可能です。
サテライトSatelliteは仕様は変わらず1台での販売となりますが、前述の通り自由度の高い計測が可能です。VEGAと同様に専用電極のスポンジを生理食塩水で濡らし、使いたい電極個所に装着するだけで事前準備は完了、簡単に計測を開始できます。
ソフトウェア「Cygnus」とセットで、ジェミニは税抜き198万円、サテライトは税抜き100万円となります。
データ取得用ソフトウエア「Cygnus - シグナス」
脳波計「ベガ」「アルタイル」には、データ取得、及びリアルタイムにスペクトル解析も可能なソフトウェア「Cygnus-シグナス」がパッケージに含まれています。眼電位によるノイズ除去機能の他、事象関連電位(ERP)実験に特化した、神経科学研究および教育向けの統合Pythonベースのソフトウェアソリューションです。
ソフトウェアには、Lab Streaming Layer(LSL)用のアウトレットが組み込まれています。
その他の脳波計測
マルチモーダル脳波・生体計測「biosignalsplux」
リラックス時(α波)、または集中時(β波)を見る際、生体情報も一緒に計測できるポルトガルPlux社のbiosignalsplux(バイオシグナルズ・プラックス)製品をお勧め致しております。
biosignalspluxは脳波をはじめとする生体情報の他、SpO2やfNIRSなどの血流関係のご研究に使えるセンサーや、加速度、ゴニオメータなどのように動きを計測できるセンサーをご自由に組み合わせてお使い頂けるセンサーです。
価格は税抜き19.8万円~(組合せによって異なる)となっております。
睡眠時の脳波計測「ZA-X」
国内メーカーであるプロアシスト社の「脳波センサーZA-Ⅹ」は、睡眠ビジネスや研究をサポートする脳波センサーです。記録したデータを解析し、睡眠時間や睡眠深度、REM睡眠の時間、中途覚醒時間などが判ります。
脳波と筋電図を同時に計測できる、ポータブルな小型脳波計です。税抜き40万円でご提供しております。
製品のデモ(リモート含む)などにもご対応しておりますので、
この機会に是非お気軽にお問合せ下さい。
お電話での問い合わせは 03-3442-5401