BITalinoチュートリアル編 ECGセンサーの基本的な使い方

2022年7月13日

心電図の標準的な測定手法は、心臓の全情報を3方向からカバーする12本の誘導を適用する方法です。

最初の3本の誘導は、アイントホーフェンの公式の双極誘導で、両腕と左脚で前頭面を表わしています(図2)。
電気方向はI誘導が左向き、Ⅱ誘導は左下向き、Ⅲ誘導は右下向きです(図1)。

拡張された四肢誘導(aVR、aVL、aVF)も前頭面を表していますが、胸部誘導(V1-V6)は胸部の6ヶ所に電極を配置し水平面を表しています。

図1:アイントホーフェン誘導I~Ⅲと角度

図2は誘導I~ⅢのECG信号を測定するための、3つの電極位置を示しています。ご覧のように、電極は両手首と左足首(図2左参照)、両鎖骨と左腸骨稜、または胸部の全て(図2右参照)に配置することが出来ます。

図2:電極位置:両手首と足首(左)、鎖骨と腸骨稜または胸部

図3は、双極誘導I(図1)におけるECG信号に及ぼす電位の流れを示したものです。

信号は-電極(B)から+電極(A)に向かって測定されています。
左から右への電位は、非常に高い正の振幅であるため、QRS複合体のECG成分を表しています。
振幅の大きさは方向の角度に依存し、振幅の方向(+または-)は電位方向に依存します。

図3:誘導ⅠのECG信号に及ぼすダイポール方向の影響 ※図中のA,Bは図1のA,Bをご参照ください。

右の写真は、BITalinoバンドル式ECGセンサーの構造です。
黒が-、赤が+、真ん中がリファレンスとなっています。

アイントホーフェン公式を使用したI誘導のセットアップ例

鎖骨と腸骨稜に配置する場合

プラス電極(赤)は左の鎖骨(LA)に、マイナス電極(黒)は右の鎖骨(RA)に配置されています。白色のリファレンス電極(REF)は腸骨稜に配置します。

ECG計測の場合、筋肉の活性化(動きのアーチファクト)のノイズを減らすために、筋肉活動が少ない箇所(骨)に電極を配置するのが重要です!

次の記事へ

PAGE TOP